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ミュージカルの誕生
昨今では、日本でもミュージカルがようやく広まりつつありますが、まだまだミュージカルが生まれた米国に比べれば、その認知度は低いといっても過言ではありません。
元々は位の高い人間にしか観劇出来なかった「オペラ」や「オペレッタ」が、「バーレスク」などのレヴューと呼ばれるショー形式の要素を取り入れ、一般大衆の要求から誕生した芸術が「ミュージカル」です。
因みに、ミュージカルでも取り入れられることの多い「タップダンス」も、元来は米国の黒人たちから生まれたダンスです。
奴隷として働く彼らは、労働後にダンスでドラムを打ち鳴らして疲れを癒していたのですが、暴動が起きたことにより白人からドラムの演奏を禁止されてしまいます。
そこで、ドラム演奏の代わりに足を打ち鳴らしリズムを奏でたことから、タップダンスが生まれたと言われています。
つまり、ミュージカルにしてもタップダンスにしても、恵まれない環境や貧しい人々の癒しを求める心から生まれた芸術だということなのです。
だからこそ、生きる喜びや自由への憧れ、希望が溢れているのです。
私の演劇の師が「人間賛歌の芸術がミュージカルだ」と言っていたのが、今も心にずっと残っています。
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劇場へ行く価値
そのような起源を考えると、日本でももっと一般的に広まって欲しいと願うわけですが、今はテレビやネットなどですぐに情報を手にすることが出来る時代。
映画でさえスマートフォン片手に観られる便利な時代に、わざわざスケジュールを空けて劇場へ足を運んでいただかなくてはならないミュージカルは、時代錯誤な芸術なのかもしれません。
しかし、「わざわざ出向いて観に行く」ことに価値があると思いますし、観に来ていただく価値を私達も提供しなくてはならないのです。
けして時代錯誤なわけではなく、今や逆転の現象が起こっているのです。
元々は一般大衆や貧しい人々のものだったはずのミュージカルは、チケット代を払って劇場に行くことでしか観ることの出来ない、ある種「敷居の高いもの」という認識に変化しているのです。
だからこそ、求められるものは大きいのにビジネスとして成立しにくいという、何とも非情な現実があるわけです。
しかし、ブロードウェイのようにロングラン公演を行うことが出来れば、しっかりとしたチケット収入が入ってきます。
それをいち早く実践し成功したのが、某有名劇団ですね。
ロングランが出来るということは、それだけの価値がある公演を行っているということ。
魅力的で実力のある俳優陣、素晴らしい音楽と脚本。
その条件が揃った時、劇団は大きくなっていき、劇場へ足を運ぶ価値が生まれるのです。
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