M17「理想と現実」の振付と、春として踏み込むこと
蘭と凪が歌うM17「理想と現実」の振り付けをしました。本音と建前の間で揺れる登場人物たち。演じる春は、嫌われたくない一心で顔色をうかがいながらも、傷つくことを承知で関係に踏み込んでいく女の子です。
稽古日誌 #198

9月12日の稽古日誌を担当します、田中あゆみです。

今年の作品は、『金曜日の食卓』です。
まず「金曜日」と聞くと、皆さんは何を思い浮かべますか?
私はいろいろと浮かぶのですが、楽しいことならば花金です。
しんどいこともやるせない気持ちも押し殺しながら、一週間働き抜いたこの国の大多数のサラリーマン、サラリーウーマンにとっての安堵と解放の曜日、なのではないでしょうか。


もう一つ浮かぶちょっと怖いイメージは、13日の金曜日。
大学生時代のアルバイト先に尊敬するBOSSがいたのですが、「私は13日の金曜日は危険やけなるべく外に出んし、外出しとったら早く帰るようにしとる。」と大真面目におっしゃったのを聞いて以来、13日の金曜日は一刻も早く帰宅するようになりました。
しかし、そんなジェイソンみたいな怖いことよりも、金曜日って明るいイメージの方が大きいので、早く帰るけれど私は金曜日が好きです。

次に「食卓」と聞くと、どんなことが浮かぶでしょうか。
やっぱり一番は、食べ物です。
美味しい食事はたくさんありすぎますが、私は日本の薬味という薬味が大好きです。
家ではメインと同じくらい、好きなだけ薬味をぶっかけます。
中でも茗荷って特に好きなのですが、スーパーに並ぶ茗荷のパックって、皆さん足りてますか?
あまりにも少なすぎやしませんか?
そんなことに日々思いを馳せていたところ、ある時茗荷の大容量袋を発見しました。
もちろん即購入し、夢の茗荷(だけ)サラダの食卓です。
ぽん酢にしょうが、からし酢味噌、わさび醤油から血迷ってドレッシング。
うーん、なんか違う・・・。
これが理想と現実か、と思い知りました。
もちろん茗荷には全く罪などなく、私がちゃんとわかっていなかったのです、それぞれに役割があるということを。
その役割を誤れば、美味しい食卓は完成しないということを。
そしてミュージカル作品でも同じだということを、薬味から再認識させてもらいました。


それからもう一つ、食卓から思い出すことがあります。
私の祖父母は、戦時中の体験をよく話してくれたのですが、現代からは想像が及ばないくらい壮絶な時代でした。
そんな体験があるからこそ、貧しい食卓にはしたくないと、お正月に集まるたくさんの家族のために、いつも山盛りのおかずと白米と飲み物とを、食卓に並べてくれていました。
そんな賑やかで明るい食卓がずっと記憶に残っています。


そんなこんなで、ネタバレに気をつけながらの作品紹介そこそこに、稽古日誌なのに稽古のことを一つも書いていないので一つだけ。
いつも何度でも感じることですが、百回の個人稽古よりも、稽古場で皆と合わせる一回の稽古に価値がある、とは少々大袈裟ですが、控えめに言っても得られる経験値は計り知れません。
相手と対峙した時に動く心や感情は、稽古場でしか得られない貴重な感覚だと思います。
だからこそ、自分も相手に何かを与えられるようになるためにも、準備万端で稽古場へ臨まなければならないと、仲間から改めさせてもらうのでした。


寒い12月ですが、あたたかくて美味しい食卓を用意していますので、ぜひたくさんのお客様に劇場へお越しいただけますと一同喜び溢れます。
この時期の公演 第9回「金曜日の食卓」
蘭と凪が歌うM17「理想と現実」の振り付けをしました。本音と建前の間で揺れる登場人物たち。演じる春は、嫌われたくない一心で顔色をうかがいながらも、傷つくことを承知で関係に踏み込んでいく女の子です。
玲がメインで歌うナンバーのステージング。可愛くてキラキラした曲ですが、歌詞をよく聞くと玲というキャラクターをよく表しています。他人が求める自分と、なりたい自分とのギャップについて。
歌の確認から、これまでについた全ナンバーのステージング確認まで。裏拍のリズム取りに苦戦しながら、友役の内面を深めていきます。千代・研・公の抜き稽古を見て、間の取り方や相槌から学んだ一日。